綺麗な水を届ける

わが国の森林面積は、約2500ヘクタールとなっていますが、これは、国土全体面積の約66%を占めており、先進国の中でも、有数の森林大国にあります。その森林には、豪雨時における土砂災害防止機能の他に、洪水や、渇水を緩和して水質を浄化する水源かん養機能があります。この水源かん養機能によって、地下水が浄化され、熊本市地域の11市町村などでは、家庭用水だけでなく、施設用水や、産業用水の全てを地下水で賄っています。この豊富な地下水資源を利用するためには、さく井工事による井戸設置が不可欠となります。そのさく井工事の技術も設備の高度化をはじめ、徐々に高まっています。また、さく井工事では、新規深井戸の掘削とポンプ施設の設置だけでなく、既設井戸の更生工事や、その付帯工事も行われ、井戸の価値が見直され、その利活用が進められています。

自然環境に恵まれたわが国における地下水利用ですが、この地下水の利活用をさらに進めるため、緊急時の生活用水確保に視点をおく動きが活発になりつつあります。わが国では、南海トラフによるプレート境界型地震だけでなく、活断層に起因した直下型地震に備える必要があります。その際、地震によって水道管が破損しますと、用水の供給が不能な状態となります。そこで、さく井工事によって井戸を設置し、緊急時の用水確保に努めようという災害時を想定した備えを図る人が増加してきました。このように、緊急時にも安心して用水が確保できることで、多くの人命が救われる可能性もあります。大地震が発生しますと、ライフラインの復旧には、相当な時間を要することがしばしばですので、さく井工事によって設置された井戸がありますと、そのような不安は、解消されることになります。今後は、常時だけでなく、緊急時を想定した地下水の利活用を考えたさく井工事の増加が予想されます。